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■ギザ十についているギザギザ
10円玉のうち、1951(昭和26)年から1958(昭和33)年に発行された周りにぎざぎざのミゾがついた硬貨を「ギザ十」といいます。
ただし、その期間中でも製造されなかった1956(昭和31)年を除きます。
その期間中に、およそ17億7000万枚が製造されたといいますから、すごい数ですね。
しかし全体から見れば希少ですから、現在では高額で売買されることもあります。
発行年、使用か未使用か、保存状態によっても大きく違ってきます。
ちなみに、ぎざぎざが付いている硬貨はギザ十だけでなく、五百円玉、百円玉、五十円玉にも付いていますね。
ではなぜ、十円玉のうちギザ十だけにぎざぎざが付いているのかという疑問も出てきます。
その理由は、硬貨にぎざぎざのミゾが付けられるのは、周囲の縁が削られるのを防ぐことにあるのです。
また、昔は硬貨の最高の額面であることも示していました。
ギザ十の十円玉が発行された当時、それが最高額面でした。
その名残です。
ちなみに、先述した三種類の硬貨にぎざぎざがあるのは、現在では、最高額面を示すためではなく、縁が削り取られるのを防ぐためと、目の不自由な方のために付けられています。
例えば、百円玉と五十円玉はどちらもぎざぎざがあり、穴の有り無しで容易に判別できます。
十円玉と五円玉はぎざぎざがなくて穴の有り無しで、判断できます。



■日本の通貨の円
現在でこそ、当然のこととして流通している通貨の「円」についての雑学です。
その円が初めて国の公文書で登場したのは、明治新政府の時代、1869(明治2)年7月のことでした。
それから2年後の1871(明治4)年に新貨条例が制定され、江戸時代に使われていた通貨単位の文・朱・分・両の4進法が廃止され、厘・銭・円の10進法が導入されました。
円が採用された理由には諸説あるものの、それまで楕円形や四角形など複数あった形を、持ち運びしやすい円形に統一したというのが有力な説です。
他の説によると、円銀などとも呼ばれていた中国の円形通貨が伝わったとも、製造のモデルとした香港の通貨の壱円にならったとも言われています。
公文書は火災で焼失し、どの説が正しいかを調べる手段はないそうです。
ここでちょっとしたエピソードがあります。
新政府にて新通貨を決める会議で、当時通貨政策を担当していた大隈重信が、「円」に対して「元」を提案したというものです。
物事の始まりを意味し、オランダの通貨ギルダーを蘭学者が「元」と訳し、また、中国でも元が流通していることが理由でした。
結果は現在の通り、「円」が採用されました。
もしそのとき円が採用されなければ、現在の日本の通貨単位は「元」になっていたのですね。