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馬はとても足の速い生き物です。
競馬中継などでその走りをご覧になった方は多いと思いますが、実に時速60キロ程で走っています。
とても人間には追いつけそうな速度ではありません。
ですが、ある意味では、人間は馬よりも足が速いのです。
その事はある長距離レースで明らかにされています。

1924年の事、イギリスはロンドンであるレースが開催されました。
それは、人間VSサラブレッドという常識外れのレースでした。
ジョージ・ホールというマラソン選手と、当時最高の競走馬の一頭と謳われたブラック・ジャックのレースは当時、大きな話題となりました。
彼らのレースは6日間にわたって行われることとなり、大勢の人がレースを楽しみにしていました。
もちろん彼らは、ブラック・ジャックの勝利を疑っていませんでした。
果たしてスタート直後、ブラック・ジャックは見る見るうちにジョージ選手を抜き去っていきました。
これは最後まで見ずとも人間の敗北だと多くの見物客は考え、スタートだけ見て家に帰ってしまった者もいたようです。
しかし、ジョージ選手はあきらめることなく走り続けました。
1日目、2日目、徐々に両者の差は縮んでいったのです。
そしてレース5日目、誰も予想していなかった事態が起こってしまいました。
ブラック・ジャック号が倒れ、レース続行不能になってしまいました。
なんとその時、ジョージ選手は25キロ以上先を走っていたのです。

確かに多くの動物たちは人間より最高時速が圧倒的に速いです。
それは明白な事実です。
しかし彼らはその代償に、持久力が極めて低いのです。
草食動物たちは肉食動物から逃れるために、一方肉食動物たちはその草食動物を捕えるために、進化の過程で徹底して瞬発力を高めていきました。
ですが、瞬発力を生み出す筋肉は持久力を持っていないのです。
そして私たち人間は、瞬発力を生み出す筋肉が動物の中でトップクラスに少なくなっている反面、持久力を生み出す筋肉が非常に多くなっています。
この違いが長距離になると如実に現れるのです。
もちろん、草食動物は肉食動物に比べて持久力がはるかにはるか上回っています。
しかし人間の方がそれ以上と言えるのです。
人間には知能がある代わりに、身体能力は低いと言われがちですが、人間にも強みがあるのですね。