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2011年の東京電力・福島第一原発事故によって、周辺住民の健康への影響を考え、福島県の飯舘村や浪江町といった高濃度汚染地帯で被曝の恐れがあるとして避難が勧告され、今も続いています。

日本で初めて放射能というものを体験したのは、ご存知、戦中の1945年の広島・長崎に原爆が投下されたことによるものです。
被爆者数は、長崎で20万人、広島で40万人といわれ、現在まで年々原爆被災で死んでいく原爆被災者をも含んでいます。
原子爆弾による爆発現象による、超高熱によるものや建物の破壊の当時と、生存者が後に放射線で白血病や癌などに侵されて亡くなった方々の総称です。

放射能とは、放射線(アルファ線、ベーター線、ガンマー線等)を出す能力のことで、実際、目に見えない得体の知れないものですが、特にガンマー線を人体が浴びると、遺伝子や細胞を傷つけ、破壊することもあります。 
線量が低い時はさほどのことはなく、人体に備わった修復機能により治癒できますが、修復出来ないほどの高い放射線を浴びると、放射線障害が発生するといわれています。

近年では、水爆実験による放射能障害で死亡した例がありました。 
1954年3月、太平洋にあるビキニ環礁の公海上で米国が水爆実験を実施したのです。
この時、静岡県・焼津港の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」とその周囲に放射性物質が落下し、船もろとも白い灰を被り乗組員23名は高濃度の放射性物質で汚染されました。
この間乗組員達は、放射線による火傷、頭痛、吐きけ、歯茎からの出血、脱毛、眼の痛みなどが発生、急性放射線症と診断されました。
23名の被ばく線量は個人ごと異なるのですが、全身線量で最低1.7Gy最大6.9Gyと評価されました。
そしてついに、通信士の久保山愛吉氏(40歳)が9月23日に死去され、日本人初の水爆実験による放射能障害の犠牲者となったのでした。
なお、放射能の計量は、1Sv(シーベルト)=放射線係数*Gyで表されます。
通常はGyの空間放射線量率の数値を0.8倍、緊急時には「1Gy=1Sv」として計算するといいます。

人体の被曝については、放射性物質が体内に取り込まれたことで被曝することを内部被爆と呼びます。
対して、人体外からの放射性物質からの放射線で被曝することを外部被曝と言います。
後者に比べて前者の方が、より多くの放射線を内部から受けるので危険とされます。

このように、日本国は世界でもほとんど例のない被爆国とされています。
一般には、核実験、または原子力発電事故で放射能・放射線に晒されることを「被曝」と言います。
日本語では、原爆による放射能被害と爆弾による被害とで、単語が類似するので注意したいですね。

ところで、「被曝」と「被爆」は、発音が同じで意味や漢字での表記も似ていますが、「被曝」は前記のように「放射線などにさらされること」を表し、「被爆」は「爆撃を受けること」、「核兵器による被害を受けること」です。
「曝」という漢字が常用漢字に入っていないことから、「被曝」を「被ばく」と書くことも多いとされます。
たとえば、被爆して被曝したことを表したい場合や、日常的に使わない言葉なのでまぎらわしいと感じるなら、「被ばく」と表記することをお勧めします。